両手で掴み取れる目標は一つだけ
本物の塾講師を目指す人へ
授業一本で生計を立てたいと願う塾講師志望者は少なくありません。生徒の勧誘や事務作業、保護者対応などの業務を避け、講師としての仕事に専念したいという希望は多くの人が持つものです。しかし、現実は甘くありません。
業界に足を踏み入れる際、多くの人が授業に専念する理想を持っていますが、実際には雑務や上司からの命令、営業活動、クレーム対応といった多岐にわたる業務をこなさなければなりません。授業一本でのし上がれるのは、経験から言うと30代半ばがリミットのように感じます。
それでも、この夢を捨てる必要はありません。授業一本で活躍する塾講師は確かに存在し、その目標を持つことは素晴らしいことです。ただし、そのためにはリスクを伴い、多くの犠牲が求められます。
受験生の時に憧れた先生に影響されて大学生になり塾講師を目指す人もいますが、現実は厳しいものです。もしそれが簡単に実現するなら、中年になっても本部からの呼び出しや上司からの厳しい指導を受ける正社員の塾講師は存在しないでしょう。
この業界に長く居座れば居座るほど、授業だけを磨いて上に上がれるという理想が幻想であることに気づかされます。それでも、塾講師として受験生の成績向上を目指すのであれば、大学生活の楽しい時間を犠牲にする覚悟が必要です。サークル活動やコンパに明け暮れる生活を送りながら人気の塾講師になるのは容易ではありません。
もしそのような生活で成功するなら、それは天性の才能に恵まれた特異な存在か、現実を見据えられない楽観的な人物でしょう。塾講師として授業に専念するためには、大学生としての楽しい生活を犠牲にする覚悟が必要です。
塾講師としての道を選ぶ際には、自分の目標や夢に対する現実的な視点を持ち、覚悟を決めて挑戦してください。甘い考えで入ってくると大きな失敗をし、振り返った時には何も残らないという状況に陥るかもしれません。それでも、授業一本でのし上がる夢を持ち続け、努力を惜しまない姿勢を持つことは、きっと大きな成長と成果をもたらすでしょう。