講師育成

記憶の断捨離は野菜室に学べ

kou4pro123@

〜覚える前に捨てる勇気を持て〜

受験勉強において、多くの学生が「覚えることが多すぎる」と感じます。参考書の山、過去問の積み重ね、予備校のテキストに学校のプリント…。どれも大事に見えるものばかり。しかし、それらすべてを抱えたままで、本当に「効率よく学べている」と言えるでしょうか?

そんなとき、私はいつも冷蔵庫の野菜室を思い出します。

そう、あの冷蔵庫の下の段のスペースです。

■ 野菜室の奥には何がある?

誰しも経験があると思います。野菜室を開けたとき、奥から出てくるしなびたキャベツ、溶けかけたキュウリ、正体不明のビニール袋…。

実はこれ、記憶の中でも起きていることなんです。

私たちの頭の中にも「野菜室の奥」があります。過去に勉強したけれどもう必要ない知識や、重複した情報、あるいは最初から意味を理解せずに無理やり詰め込んだ記憶。こうした“しなびた記憶”は、いざ新しい知識を入れたいときに、場所を取ってしまい、思考の動きを妨げます。

■ 覚える前に捨てる勇気を持て

勉強ができる人ほど、「覚えること」よりも「捨てること」がうまいものです。これは単なる情報の削除ではありません。

・自分が受ける試験で本当に必要な知識か?

・今の段階でその内容を完璧にする必要があるのか?

・今後も繰り返し出てくるテーマか?

これらを冷静に見極め、必要のないものを意識的に「スルーする」決断ができること。これが“記憶の断捨離”です。

たとえば、英語の勉強で細かい文法用語ばかりを暗記していたり、数学で難関私立校の超ハイレベル問題ばかりに固執していたり…。それ、本当に今の自分に必要ですか?

大切なのは、「合格するために必要な記憶」を優先して育てること。そのために、まず“捨てる勇気”を持ちましょう。

■ 腐った記憶を捨てろ、野菜室はそれを知っている

人間の脳は冷蔵庫と同じで、詰め込みすぎると中が見えなくなります。そして、見えなくなったものは忘れていく。忘れていいならまだしも、必要な情報まで“野菜の奥”に埋もれてしまうこともあるのです。

使っていない知識、役に立たないテクニック、すでに理解したのに「不安だから」と何度も見返してしまうページ…。

それらは「腐った記憶」かもしれません。

勇気を持って、古くなった記憶を一度見直しましょう。新しい知識を入れるスペースは、その後に自然と生まれてきます。

■ 具体的な“記憶の断捨離”の手順

受験生が今日からできる記憶の整理法をいくつかご紹介します。

1. ノートや参考書を“見直し用”と“もう使わない用”に分ける

→ 付箋やクリップで仕分けしておくだけでも、復習の精度が上がります。

2. “もう覚えたページ”は潔く外す

→ ルーズリーフならページごとファイルから抜きましょう。冊子タイプなら付箋で「完了」マークを。

3. “苦手だけど出ない問題”は勇気を持って後回しにする

→ 捨てる勇気は、戦略的選択でもあります。

4. 1週間に一度、脳の“冷蔵庫掃除”をする

→ 過去に使った問題集やノートの内容を見返し、「まだ有効か?」を自問する時間を設けましょう。

■ 最後に:覚えることを減らせる人が、強い

受験において成功するのは、「頭がいい人」ではありません。

「学ぶべきものを見極めて、覚えなくていいものをスルーできる人」です。

記憶の断捨離とは、勉強の“軽量化”です。荷物を軽くしてこそ、スピードは出ます。ゴールへ向かう加速力もつきます。

冷蔵庫の野菜室を、ぜひ一度見てください。そこにある現実が、あなたの勉強にもきっと活かせるはずです。

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教室長
20年以上塾・予備校講師として活躍してきた私が、独自のスキルとノウハウを次世代に伝えるために「塾講師を育てる教室」を設立しました。私のビジョンは、単なる知識の伝達ではなく、生徒の可能性を最大限に引き出す洞察力と探究心を持つ教育者を育成することです。使命は、教育の質的革新を通じて若者の可能性を引き出し、志を共にする仲間を増やし、教育界全体のレベルアップに貢献することです。
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